肝臓の中でも細胞の機能は異なる
肝臓は、薬物代謝、糖代謝、脂質代謝、解毒など、多様な機能を担う臓器です。
肝臓を構成する肝細胞は、一見すると均一に分布しているように見えますが、実際には肝小葉内の位置によって機能が異なります。
例えば、門脈域に近い領域と中心静脈に近い領域では、代謝酵素の発現や生理機能に違いがあります。
このような位置依存的な機能分化は「肝臓のゾネーション(Liver Zonation)」と呼ばれています。
肝臓全体の解析では見えにくい情報
肝臓組織全体からRNAやタンパク質を抽出すると、異なる領域に由来する情報が混在します。
そのため、特定の領域だけで生じている遺伝子発現の変化が、平均化されて検出しにくくなる場合があります。
肝毒性研究や脂肪肝、肝線維化などの研究では、病変や分子変化が肝臓内のどこに生じているかが重要です。
LCMによる領域別の組織回収
レーザーマイクロダイセクション(LCM)は、組織切片を顕微鏡で観察しながら、目的の細胞や組織領域を選択的に回収する技術です。
肝臓研究では、例えば次のような領域を分けて回収することが考えられます。
・門脈域周辺の肝組織
・中心静脈周辺の肝組織
・線維化が進行した領域
・炎症細胞が集積した領域
・腫瘍部と非腫瘍部
それぞれの領域から核酸やタンパク質を抽出することで、局所的な分子変化を解析できます。
Accuva Cellectによる組織の選択的回収
米国LAXCO社のAccuva Cellectは、IRレーザーとUVレーザーを搭載したレーザーマイクロダイセクションシステムです。
IRレーザーによる目的細胞の捕捉と、UVレーザーによる組織領域の切断を使い分けられることが特徴です。
肝小葉内の異なる領域を選択的に回収し、遺伝子発現解析などにつなげる研究に活用できます。
薬物代謝・肝毒性研究への応用
薬物代謝酵素の発現は、肝小葉内の位置によって異なることがあります。
LCMを利用して領域ごとの組織を回収すれば、薬物代謝関連遺伝子の発現や、薬剤処理による局所的な応答を比較する研究が考えられます。
ただし、正確な領域同定には組織形態や適切なマーカーを用いた確認が必要です。
まとめ
肝臓研究では、肝小葉内の位置による機能の違いを考慮することが重要です。
LCMは、組織内の特定領域を選択して回収し、領域別の分子解析につなげる技術です。
Accuva Cellectは、肝臓のゾネーション研究、肝毒性研究、肝疾患研究などにおける試料回収を支援します。
Accuva Cellectの製品仕様や導入については、株式会社インミディアムまでお問い合わせください。
製造元:LAXCO(米国)
日本国内取扱い:株式会社インミディアム
https://www.inmediam.com