肺組織には多様な構造が存在する
肺は、肺胞、気道、血管、間質など、異なる構造から構成されています。
肺胞ではガス交換が行われ、気道上皮は外部から侵入する異物に対する防御などの役割を担っています。
肺線維症や肺がんなどの研究では、これらの組織構造に応じて異なる分子変化が生じることがあります。
しかし、肺組織全体を用いた分子解析では、複数の細胞や組織に由来する情報が混在します。
LCMによる肺組織の選択的解析
レーザーマイクロダイセクション(LCM)は、組織切片から目的の領域を顕微鏡下で選択し、回収する技術です。
肺研究では、例えば以下の領域を個別に回収することが考えられます。
・気道上皮
・肺胞領域
・線維化が進行した領域
・炎症細胞が集積した領域
・肺がんの腫瘍部と周辺組織
回収した領域からRNAやDNAなどを抽出することで、組織構造に対応した分子解析を実施できます。
肺線維症研究への応用
肺線維症では、肺組織の一部に線維化が生じ、正常な組織構造が変化します。
LCMを利用して線維化領域と比較的正常な領域を分けて回収すれば、線維化に関連する遺伝子発現の違いを調べる研究が可能です。
また、線維化の程度が異なる領域を比較することで、病変の進行に伴う分子変化を検討できます。
肺がん研究への応用
肺がん組織には、腫瘍細胞のほかに、線維芽細胞、免疫細胞、血管などが存在します。
LCMによって腫瘍細胞が多い領域を選択することで、目的外の細胞由来成分の混入を減らし、遺伝子変異解析や遺伝子発現解析につなげることができます。
ただし、回収領域の細胞純度は組織形態や選択方法に依存するため、完全な細胞分離が保証されるわけではありません。
Accuva Cellectの特徴
Accuva Cellectは、米国LAXCO社のIR・UVデュアルレーザーLCMシステムです。
IRレーザーによる目的細胞の捕捉と、UVレーザーによる組織領域の切断を使い分けられます。
肺組織のように異なる構造が隣接する試料では、目的領域を選択できることが重要です。
まとめ
肺疾患研究では、病変部位や組織構造ごとの分子解析が重要です。
LCMを利用することで、肺胞、気道、線維化領域、腫瘍部などを選択して回収し、局所的な分子変化を調べることができます。
Accuva Cellectによる肺組織の回収や研究用途については、株式会社インミディアムまでお問い合わせください。
製造元:LAXCO(米国)
日本国内取扱い:株式会社インミディアム
https://www.inmediam.com