【第4回】がん微小環境の研究にLCMを活用する:腫瘍細胞と間質細胞を分けて解析する方法

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がん組織は均一ではない

がん組織は、がん細胞だけで構成されているわけではありません。

実際には、免疫細胞、線維芽細胞、血管内皮細胞など、さまざまな細胞が存在しています。

これらの細胞と周囲の細胞外マトリックスなどによって形成される環境は、**腫瘍微小環境(Tumor Microenvironment:TME)**と呼ばれます。

腫瘍微小環境は、がんの進展や免疫応答、薬剤への反応などを研究するうえで重要な対象です。

組織全体の解析では細胞集団の違いが見えにくい

がん組織全体からRNAやDNAを抽出すると、腫瘍細胞と周辺細胞の分子情報が混在します。

例えば、腫瘍細胞に特徴的な遺伝子発現を調べたい場合、間質細胞や免疫細胞の情報が解析結果に影響する可能性があります。

また、腫瘍の中心部と浸潤先端部では、細胞の構成や状態が異なることがあります。

こうした領域ごとの違いを調べるためには、組織内の特定領域を選択的に回収する方法が役立ちます。

LCMによる腫瘍領域の選択的回収

レーザーマイクロダイセクション(LCM)は、顕微鏡で観察した組織から、目的とする細胞や微小領域を選択的に回収する技術です。

例えば、以下のような領域を分けて回収する研究に利用できます。

・腫瘍細胞が多く存在する領域

・腫瘍周辺の間質領域

・腫瘍の中心部と浸潤先端部

・病理学的特徴の異なる組織領域

回収した試料からRNAやDNAを抽出し、それぞれの領域の分子情報を比較することができます。

ただし、顕微鏡で選択した領域にも複数の細胞種が含まれる場合があるため、必ずしも単一細胞種のみを完全に分離できるわけではありません。

がん研究における応用例

遺伝子変異解析

腫瘍細胞が多い領域を選択的に回収することで、周囲の正常細胞による希釈を抑え、目的とする変異の検出を検討できます。

遺伝子発現解析

腫瘍領域と間質領域を分けて回収し、RNA-seqやqPCRによって遺伝子発現の違いを解析できます。

タンパク質解析

特定の病理組織領域を回収し、質量分析によるプロテオミクスに利用することも可能です。

Accuva Cellectの活用

米国LAXCO社のAccuva Cellectは、IRレーザーとUVレーザーを搭載したLCMシステムです。

IRレーザーによる少数細胞の回収と、UVレーザーによる組織領域の精密切断を使い分けられます。

FFPE組織や新鮮凍結組織に対応しているため、さまざまな病理研究への応用が考えられます。

また、回収前後の画像を記録できるため、解析対象とした組織領域の確認にも役立ちます。

まとめ

腫瘍微小環境の研究では、組織内のどの細胞集団や領域を解析するかが重要です。

LCMは、病理組織の形態情報を活用しながら、目的領域を選択的に回収できる技術です。

Accuva Cellectを用いたがん研究・病理学研究については、株式会社インミディアムまでお問い合わせください。

製造元:LAXCO, Inc.(米国)
国内取扱い:株式会社インミディアム
https://www.inmediam.com