【第5回】LCMとプロテオミクス:微小な組織領域からタンパク質を解析する

LAXCO

お見積商品 お見積商品 通常価格

→お気軽にご依頼ください

組織のどの部分でタンパク質が発現しているのか?

タンパク質は、細胞の構造や機能を担う重要な分子です。

質量分析を用いたプロテオミクスでは、多数のタンパク質を網羅的に解析することができます。

しかし、組織全体を試料とした場合、異なる細胞集団に由来するタンパク質が混在します。

例えば、がん組織の腫瘍領域と間質領域では、タンパク質の発現パターンが異なる可能性があります。

特定の組織領域に着目してタンパク質を解析するためには、目的領域を選択的に回収する試料調製技術が重要になります。

LCMを用いた組織領域の分離

レーザーマイクロダイセクション(LCM)は、顕微鏡で観察した組織から、目的とする細胞や微小領域を選択的に回収する技術です。

病理組織を観察しながら、特定の細胞集団や組織領域を回収し、タンパク質抽出へと進めることができます。

例えば、以下のような研究への応用が考えられます。

・腫瘍領域と正常領域のタンパク質発現比較

・腫瘍中心部と浸潤先端部の比較

・病理学的特徴の異なる領域の比較

・特定の細胞集団に着目したタンパク質解析

LCMと質量分析を組み合わせるメリット

LCMを利用することで、組織全体をまとめて解析する場合と比べ、目的領域に由来する試料を選択的に調製できます。

これにより、組織内の領域ごとのタンパク質発現の違いを調べる研究に活用できます。

また、組織の形態学的な情報とタンパク質解析結果を関連付けられる点も重要です。

ただし、LCM自体がタンパク質を分析するわけではありません。回収後には、タンパク質抽出、前処理、質量分析などの工程が必要です。

微量試料を扱う際の注意点

LCMで回収した微小な組織領域では、得られるタンパク質量が少なくなる場合があります。

そのため、以下の点を検討する必要があります。

・回収する組織面積や細胞数

・試料の固定・保存条件

・染色方法

・タンパク質抽出効率

・前処理工程での試料損失

・質量分析装置の感度

・目的とするタンパク質の種類

特に微量試料のプロテオミクスでは、LCMによる回収方法と質量分析の前処理条件を一体として最適化することが重要です。

Accuva Cellectによる微小領域の回収

米国LAXCO社のAccuva Cellectは、IRレーザーによる細胞回収とUVレーザーによる組織切断を組み合わせたLCMシステムです。

目的とする細胞や組織領域を顕微鏡で確認しながら回収できます。

また、回収した細胞の確認や画像記録を行えるため、分子解析に使用する試料の由来を記録する際にも役立ちます。

Accuva Cellectのメーカー資料では、LCMによって回収した試料の下流解析として、質量分析が紹介されています。

まとめ

LCMとプロテオミクスを組み合わせることで、病理組織内の特定領域に着目したタンパク質解析が可能になります。

がん研究や病理学をはじめ、組織内の分子的不均一性を調べる研究への応用が期待されます。

Accuva Cellectの製品仕様やプロテオミクスへの応用については、株式会社インミディアムまでお問い合わせください。

製造元:LAXCO, Inc.(米国)
国内取扱い:株式会社インミディアム
https://www.inmediam.com