LCMでは試料調製が重要
レーザーマイクロダイセクション(LCM)は、顕微鏡で観察した組織や細胞試料から、目的とする細胞や微小領域を選択的に回収する技術です。
しかし、同じ装置を使用しても、試料の状態や回収条件によって結果が異なる場合があります。
特に、回収した試料をRNA-seq、DNA解析、プロテオミクスなどに利用する場合には、試料調製から回収後の品質確認まで、一連の工程を適切に管理することが重要です。
1. 組織の保存条件を管理する
組織を採取してから保存するまでの時間や、固定・凍結条件は、RNA、DNA、タンパク質の品質に影響します。
例えば、RNA解析を目的とする場合には、RNA分解を抑えるための適切な保存条件が必要です。
FFPE組織では、固定条件や保存期間によって核酸の品質が異なる可能性があります。
研究目的に応じて、組織の保存方法を検討することが重要です。
2. 染色条件を最適化する
LCMでは、目的細胞を識別するためにH&E染色や免疫染色などを利用します。
一方、染色工程によって核酸やタンパク質の品質が変化する可能性があります。
そのため、細胞を識別するための十分な染色性と、下流解析に必要な分子品質の両立が重要です。
3. 回収する細胞数や面積を記録する
LCMでは、回収する細胞数や組織面積が解析結果に影響することがあります。
特に微量試料では、回収量の違いがDNA・RNA・タンパク質の収量に反映される場合があります。
実験条件を比較する際には、回収対象の定義を明確にし、細胞数や回収面積を記録することが重要です。
4. 回収後の細胞を確認する
レーザーで切断・回収した後には、目的細胞が適切に回収されているかを確認する必要があります。
Accuva Cellectでは、CapSure LCMキャップ上の回収試料を確認する機能が用意されています。
また、回収前後の画像や動画を記録できるため、回収対象の確認や実験記録の保存に役立ちます。
5. 下流解析の品質管理を行う
LCMによって目的細胞を回収できても、必ずしも十分な品質のDNAやRNAが得られるとは限りません。
例えば、RNA解析ではRNAの品質や収量、DNA解析ではDNAの断片化や増幅可能性などを確認することが重要です。
プロテオミクスでは、タンパク質抽出効率や前処理工程での試料損失にも注意が必要です。
Accuva Cellectによる実験記録
Accuva Cellectには、専用の操作ソフトウェアが搭載されています。
ステージ移動、観察、細胞選択、レーザー回収、品質確認などの操作を行うことができます。
さらに、画像記録や回収領域の測定情報を活用することで、実験内容の記録を支援します。
ただし、これらの機能だけで実験全体の再現性が保証されるわけではありません。試料調製方法や解析条件の標準化も必要です。
まとめ
LCMの再現性を高めるためには、装置性能だけでなく、試料保存、染色、回収条件、品質確認、下流解析までを一体として考えることが重要です。
Accuva Cellectは、細胞の選択的回収と画像記録、回収後の確認機能を備えたLCMシステムです。
製品仕様や研究用途への適合性については、株式会社インミディアムまでお問い合わせください。
製造元:LAXCO, Inc.(米国)
国内取扱い:株式会社インミディアム
https://www.inmediam.com