細胞の移動はさまざまな生命現象に関与する
細胞遊走は、創傷治癒、組織再生、免疫応答、がん細胞の浸潤などに関係する重要な細胞機能です。
細胞がどの程度移動するかを評価する方法の一つとして、スクラッチアッセイが広く利用されています。
スクラッチアッセイは比較的シンプルな実験方法ですが、時間経過に伴う細胞の移動を正確に記録することが重要です。
スクラッチアッセイとは?
スクラッチアッセイは、培養細胞が単層を形成した状態で、細胞層の一部に細胞のない領域を作り、その領域が時間とともに閉鎖する過程を観察する試験です。
細胞が移動することで、細胞のない領域が徐々に狭くなります。
この変化を撮影・解析することで、細胞遊走の程度を評価できます。
ただし、細胞増殖も領域の閉鎖に影響するため、閉鎖率だけを細胞遊走速度と同一視しないことが重要です。
従来のスクラッチアッセイの課題
通常の顕微鏡でスクラッチアッセイを評価する場合、一定時間ごとに培養容器を取り出して撮影することがあります。
この方法では、観察位置のずれや撮影間隔のばらつきが生じる可能性があります。
また、複数の試料を繰り返し撮影する場合には、研究者の作業負担が大きくなります。
CYTONOTEによる自動撮影
CYTONOTEは、CO₂インキュベーター内で細胞を継続的に撮影できるライブセルイメージングシステムです。
スクラッチ形成後の細胞を一定間隔で撮影することで、細胞のない領域が閉鎖する過程を記録できます。
レンズレスイメージングによる広視野観察は、スクラッチ領域の経時的な変化を捉える際に役立ちます。
HORUSによるスクラッチ解析
CYTONOTEの専用ソフトウェアHORUSには、スクラッチアッセイ解析モジュールが用意されています。
このモジュールを利用することで、スクラッチ領域の閉鎖率などを定量的に解析できます。
細胞遊走に対する薬剤や培養条件の影響を、時間経過に沿って比較する研究に利用できます。
※スクラッチアッセイ解析モジュールは追加オプションです。
創傷治癒研究への応用
IPRASENSE社は、ヒト表皮ケラチノサイトを使用したスクラッチアッセイの事例を公開しています。
皮膚の創傷治癒研究では、ケラチノサイトの移動が重要な評価対象の一つです。
CYTONOTEによってスクラッチ領域の閉鎖を継続観察することで、細胞遊走に関する定量的な情報を取得できます。
まとめ
スクラッチアッセイでは、細胞のない領域がどのような速度で閉鎖するかを評価することが重要です。
CYTONOTEは、インキュベーター内での自動撮影とHORUSによる画像解析を通じて、細胞遊走研究を支援します。
スクラッチアッセイや創傷治癒研究へのCYTONOTEの活用については、株式会社インミディアムまでお問い合わせください。
製造元:IPRASENSE(フランス)
日本国内取扱い:株式会社インミディアム
https://www.inmediam.com
※本製品は研究用です。