コーティングの剥離はなぜ起こる?
金属や樹脂、セラミックスなどの表面には、耐摩耗性や耐食性、装飾性を向上させるために、さまざまなコーティングが施されています。
しかし、コーティングが基材に十分に密着していない場合、外部からの機械的な負荷によって割れや剥離が発生する可能性があります。
コーティングの品質を評価するためには、膜の硬さや耐摩耗性だけでなく、損傷が始まる条件を調べることが重要です。
漸増荷重スクラッチ試験とは?
漸増荷重スクラッチ試験は、接触子を試料表面に押し付けながら移動させ、試験荷重を連続的に増加させる方法です。
試験開始時には小さな荷重を加え、その後、移動距離に応じて荷重を増加させます。
これにより、表面に最初の傷が生じる条件や、コーティングに割れ・剥離などが発生する条件を調べることができます。
臨界荷重とは?
スクラッチ試験では、特定の損傷が発生したときの荷重を「臨界荷重」と呼びます。
例えば、コーティングに最初の割れが発生した荷重と、膜が基材から剥離した荷重は異なる場合があります。
そのため、臨界荷重を比較する際には、何を損傷の判定基準としたかを明確にすることが重要です。
また、臨界荷重は膜厚、基材の硬さ、接触子の形状、試験速度などの影響を受けます。
したがって、臨界荷重の数値だけで、異なる種類のコーティングの密着強度を単純に比較できるとは限りません。
TRIBOscratchによる評価
スイスTRIBOTRON社のTRIBOscratchは、漸増荷重スクラッチ試験に対応しています。
電子制御による荷重負荷機構を使用し、試験中に荷重を連続的に変化させることができます。
メーカー公表仕様では、標準荷重範囲は1~100 Nです。
また、試験後の損傷観察や、オプションの摩擦力測定を組み合わせることで、コーティングの損傷挙動を詳しく評価できます。
どのような研究に役立つのか?
漸増荷重スクラッチ試験は、例えば次のような用途に利用できます。
・コーティング材料の比較
・成膜条件の最適化
・表面前処理条件の比較
・膜厚の違いによる損傷挙動の評価
・コーティングの品質管理
・不具合品と正常品の比較
まとめ
コーティングの密着性や損傷耐性を評価する際には、膜がどのような荷重条件で損傷するかを調べることが重要です。
TRIBOscratchの漸増荷重スクラッチ試験は、コーティングの割れや剥離などの損傷開始条件を評価するための方法です。
試験条件や装置選定については、株式会社インミディアムまでお問い合わせください。
製造元:TRIBOTRON AG(スイス)
日本国内取扱い:株式会社インミディアム
https://www.inmediam.com